ひきこもり刑事(デカ)/第3話
第3話 楽天市場・連続万引き事件を追え †
日曜の午後。インターネット最大のショッピングモール「楽天市場」は、親子連れでにぎわっていた。
「本日も楽天市場にお越し頂きまして、まことに……」
平和な雰囲気の中、叫び声があがったのは午後2時30分すぎ。
「万引きだー」
通報を聞いて、あわててログインするヤスオ。しかし、店のページをアクセスしても、犯人の姿は見えない。商品写真だけが、なくなっている。最近頻繁に発生する手口と同じで、おそらく同一犯だろう。
周囲で聞き込みをすると、犯人はどうやら「ミクシィ」に逃げ込んだらしい。
ヤスオもログインする。 しかし、友達の少ないヤスオは、ミクシィ内で動ける範囲に限りがある。
とはいえ、そうも言っていられない。「ログイン時間が5分以内」の人物を中心に、手当たり次第にプロフィールを見て回るヤスオ。
ここで、ヤスオは気づいていなかった。 ヤスオは、プロフィールに「職業:刑事」と、書いてしまっていたことを。 個人プロフィール全開のまま、不審人物の尾行を続けるヤスオ。
さらに、ヤスオは忘れていた。 ミクシィには「足跡」という機能があることを。 注意深く張り込んでいるつもりの自分の足跡は、点々とみんなのミクシィにしっかりと刻まれていた。
結局この日は、手痛いミスで犯人を捕らえることに失敗したヤスオ。 自分の愛するインターネット。その平和を乱す奴は断じて許せない。 さて、どうしたものか…
数日後、ヤスオは動いた。 あまり人とはかかわりたくないが、情報収集のためだ。仕方がない。 ミクシィで立ち上げたコミュニティーは、その名も、
「仮想商店街連続万引事件捜査本部」
みんなのインターネットの平和を守るため、がんばれヤスオ !
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第4話「田園署恒例・バーベキュー大会を遂行せよ」につづく
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この話はフィクションであり、実在する団体や個人とはいかなる関係もありません。