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** 第1話 ひきこもり刑事登場 [#v6b8b691]
神奈川県横浜市の高級住宅地にある「横浜田園署」。イタリア料理屋で、ランチと愚痴をたしなむ有閑マダムが闊歩する街に、あまり似つかわしくない古い建物の警察署だ。
3階の刑事課の部屋。ドアの横には、筆で書かれた「ネット犯罪抑止対策強化励行月間」という看板がある。そこが、穴戸ヤスオの仕事場だ。
いきせききって先輩がやってきた。どうやら、犯人グループの拠点のアパートが見つかったらしい。
「おい、ヤスオ。これ、ガサ状(家宅捜索令状)申請してくれ」
「はい。どこでしたっけ?」
「裁判所だよ」
「はい」
さっそく、PC画面に向かって、Googleを呼び出す。フォームに「裁判所」と打ち込み、「I'm feeling lucky」を押すヤスオ。このボタンを押すとき、いつも不気味な笑顔になっているが、本人は気づいていない。
#ref(http://www.chu-pro.jp/wiki_images/modri/hikideka/hikideka-1-google.gif);
出てきたHP( http://www.courts.go.jp/ ) を見渡すが、なかなか要領を得ないヤスオ。
数時間後。先輩から聞かれるヤスオ。
「おい、ヤスオ。ガサ状どうなった?」
「はい。申し込んだんですが」
「申し込んだ?」
「ええ。サイトみたんですけど、よくわからなくて、とりあえずウェブマスターに問い合わせのメール送っておきました」
「……」
「え?もしかして、暗号化したほうがよかったですか?」
「…………」
#ref(http://www.chu-pro.jp/~uchu/modri/hikideka/hikideka-1-mail.gif);
#ref(http://www.chu-pro.jp/wiki_images/modri/hikideka/hikideka-1-mail.gif);
''がんばれヤスオ。事件は現場で起きてるんじゃない、ネットで起きてるんだ !''
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第2話「[[ITベンチャー不正取引事件を洗え>ひきこもり刑事(デカ)/第2話]]」につづく
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この話はフィクションであり、実在する団体や個人とはいかなる関係もありません。神奈川県警だけ名前を借りましたが、あとの固有名詞は全部実在しません。