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** 第2話 ITベンチャー不正取引事件を洗え[#v66a9c8b]
「穴戸、ちょっと調べてもらいたいことがあるんだ」
ある日、課長に呼ばれたヤスオ(ひきこもり刑事)。課長が言うには、いま絶好調のITベンチャー企業の社長に、不正な取引の噂があるらしい。しかも、署長が昨晩、有名企業幹部と飲みに行って聞いてきた。そこで、署長は相手に、
「大丈夫。うちにもITに強い若手がいるんですよ」
と言ってしまったが、この「若手」とはつまりヤスオのことだというのだ。
署長の指名に張り切るヤスオ。
「いや、そこの社長の後輩の妹の彼氏と昔知り合いだったんで……」
それは他人ではないか。
だが翌朝。
「調べました。報告書にまとめましたので、プレゼンの時間をいただけますか?」
「プレゼン?」
「ええ。プロジェクターがあるとベストなんですが」
ぼうぜんとする課長に、パソコン画面の報告書を見せるヤスオ。
#ref(http://www.chu-pro.jp/~uchu/modri/hikideka/hikideka-2-pawapo.gif);
#ref(http://www.chu-pro.jp/wiki_images/modri/hikideka/hikideka-2-pawapo.gif);
ヤスオの大好きな世界地図のテンプレート。
だが、内容がテンプレート負けしていることには気づいていない。
「すごいな。よく調べたじゃないか。しかもこんな短時間で」
「ええ、まあ」
「誰か、知り合いに聞いたのか?」
「……ええ、昔からちょっと知ってるヤツがいまして……」
「内部の人間か?」
「……ええ。たぶんそういうヤツもいます」
「何人もいるのか?」
「……ええ。……まあ」
「そうか。よく頑張った」
しかし、パワーポイントの画面の下には、別の画面が隠されていたことに、課長は気づく由もなかった。
#ref(http://www.chu-pro.jp/~uchu/modri/hikideka/hikideka-2-2ch.gif);
#ref(http://www.chu-pro.jp/wiki_images/modri/hikideka/hikideka-2-2ch.gif);
''がんばれヤスオ、いつも2ちゃんは君の味方だ !''
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第3話「[[楽天市場・連続万引き事件を追え>ひきこもり刑事(デカ)/第3話]]」につづく
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この話はフィクションであり、実在する団体や個人とはいかなる関係もありません。神奈川県警だけ名前を借りましたが、あとの固有名詞は全部実在しません。実在するのは、私やあなたや穴戸くんのような「会社内ひきこもり」ですから。